オーバード・ホール 中ホール開館記念
日本の古典喜劇、人間国宝・野村万作と多方面で活躍中の野村萬斎親子による「狂言の現在」シリーズ。
曲目
レクチャートーク
軽妙なトークで、狂言の楽しみ方、曲目の見どころを、わかりやすく解説。
「舟渡聟」ふなわたしむこ
聟入り(新婚の夫が妻の実家を訪ね、初対面の挨拶をする)の道中で渡し船に乗った聟。土産の酒樽に目を付けた船頭に強引に無心され、あらかた飲まれて軽くなった樽を持って、やっとのことで舅宅にたどり着くが…。
数ある聟狂言の中でも屈指の名作で、祝福、祝賀の代表曲。人間国宝の至芸によって、記念公演に花を添えます。
「三番叟」さんばそう
その由来と成立の過程は謎に包まれ、神事と芸能が未分化な時代に遡ると推測されますが、翁が「能にして能に非ず」とされるように、三番叟も「狂言にして狂言に非ず」、今も半ば神事として神聖視されながら、同時に独特の編成、組み手の囃子によるジャズやロックにも通じるリズム、バレエを思わせる烏飛びのダイナミックな跳躍など、原初的、宇宙的なエネルギーに充ちた、斬新で独特の魅力に溢れた舞踏曲としても注目され、人気を集めています。
大地を踏み、五穀豊穣を祈る究極の祝典曲で、中ホールの開館を寿ぎます。