曲目
レクチャートーク ・・・・・・ 野村萬斎
軽妙なトークで、狂言の楽しみ方、曲目の見どころを、わかりやすく解説。
「鬼の継子」おにのままこ ・・・深田博治 内藤連 ほか
越中の国、芦倉の里に住む女が夫に先立たれ、実家に帰ろうと子を抱いて旅をしている。そこに鬼が現れ、死んで地獄にいる夫が極楽にいけるよう閻魔にとりなす代わりに、結婚を迫る。女は仕方なく承知し、身支度をする間、鬼に子守りを頼む。楽しげに子供をあやしていた鬼だが、かわいさのあまり…。
「靭猿」うつぼざる ・・・野村万作 野村裕基 野村萬斎 三藤なつ葉 ほか
狩に行く道中、子猿を連れた猿曳に出会った大名。猿皮の靭が欲しくなって、子猿の皮を貸せと猿曳に迫る。猿曳は必死に抵抗したものの、大名に射殺すと脅されて、泣く泣く子猿を打とうとするが、無心に芸をする子猿の姿を見て…。
狂言の代表的な名曲「靭猿」を、万作三代で上演します。身勝手で横暴な大名に、毅然として抵抗する猿曳の緊迫した対立、打つに打てない猿曳と子猿の愁嘆場から、一転してめでたい猿舞になり、祝言性に満ちた和楽に至る、劇的な構成と展開を持つ大曲です。子猿を勤めるのは万作の孫で萬斎の姪、万作一門では裕基以来12 年ぶりの子猿です。三世代しかも四役揃っての上演は稀少で、まさに一期一会の機会と言えましょう。