太郎冠者狂言屈指の名曲「木六駄」を、米寿を迎えた人間国宝・万作の円熟の至芸で。さらに裕基、萬斎も相手を勤めて、三代が共演。また奇想天外な発想と、シュールで賑やかな舞台で人気の「茸」を太一郎のシテで。そして萬斎が、初演以来様々な試みを重ねて、常に進化を続ける「MANSAIボレロ」の最新バージョンに挑む。三代を核に、幅広く多彩に繰り広げる、魅惑の夕べ。
曲目
レクチャートーク
野村萬斎
軽妙なトークで、狂言の楽しみ方、曲目の見どころを、わかりやすく解説。
狂言 木六駄(きろくだ)
野村万作 野村裕基、野村萬斎、高野和憲
六頭の牛に薪を、六頭の牛に炭を積み、酒樽を添えて都に届けよと命じられた太郎冠者。大雪の中、思うように動かない十二頭の牛を追いながら山道を急ぎ、ようやく峠の茶屋にたどり着くと、つい酒樽に手をつけて、上機嫌で謡い舞ううち…。
狂言 茸(くさびら)
野村太一郎 石田幸雄、飯田 豪、中村修一、石田淡朗、内藤 連、月崎晴夫、岡 聡史、野村裕基、深田博治
何某は家の中に人間大の茸が生え、取っても取っても無くならないので、山伏に法力で取り除いてほしいと頼む。山伏は祈祷を始めるが、茸はますます増え、山伏や何某に悪戯をする。疲れ果てた山伏は最後の気力を振り絞って祈るが…。
独舞 MANSAIボレロ
野村萬斎 作曲: ラヴェル 振付: 野村萬斎
萬斎が長年の構想を経て 2011 年に世田谷パブリックシアターで初演し、以降各所で好評を博しているプログラム。ラヴェルの傑作舞踊音楽「ボレロ」と、『三番叟』を軸とする狂言の発想と技法とが結晶し生まれた、珠玉の独舞。