第21回読売演劇大賞グランプリ
チェーホフ×森新太郎×藤原竜也
数々の翻訳劇を手掛ける森新太郎がアントン・チェーホフの戯曲を演出する「森新太郎 チェーホフ・シリーズ」の第1弾。『プラトーノフ』はチェーホフが没してから約20年後に発見された処女作で、妻子ある教師・プラトーノフが4人の女性との愛に溺れ、破滅していく様が描かれています。
主人公のプラトーノフを演じるのは、森新太郎とは初タッグとなる藤原竜也。2008年の「かもめ」以来、2度目のチェーホフ劇で、4人の女性に愛される田舎教師プラトーノフを演じます。ダブルヒロインとして、プラトーノフを愛する未亡人・アンナ役に高岡早紀、プラトーノフの元恋人・ソフィヤ役に比嘉愛未、共演者に前田亜季、中別府葵、西岡德馬、浅利陽介、神保悟志、近藤公園などの豪華キャストが名を連ねる話題作です。ご期待ください!!
ストーリー
19世紀末。ロシア将軍の未亡人アンナ(高岡早紀)の屋敷には、大佐のイワン(西岡德馬)や、アンナに想いを寄せるポルフィリ(神保悟志)など、さまざまな人が集まってくる。その中でアンナが秘かに想いを寄せるのは、妻子ある教師プラトーノフ(藤原竜也)であった。
プラトーノフの妻サーシャ(前田亜季)の弟ニコライ(浅利陽介)は、大学生のマリヤ(中別府葵)に恋焦がれているが、マリヤもプラトーノフに惹かれている。そんな中、アンナの義理の息子セルゲイ(近藤公園)が、結婚したばかりの妻を屋敷に連れてきた。その相手を見て、プラトーノフの心は激しく揺れ動く。なぜなら、セルゲイの結婚相手は、かつての自分の恋人ソフィヤ(比嘉愛未)だったのだ。
アンナ、ソフィヤ、サーシャ、マリヤ、4人の女性の愛が交錯する中、プラトーノフは破滅へと突き進んでいく…。
キャストコメント
◆藤原竜也コメント
演劇界の次代を担う演出家の森新太郎さんと、今回ようやくご一緒できることを心から嬉しく思います。森さんは、情熱的でパワフルな稽古をするそうなので、しっかりと準備をして稽古に臨みたいです。
チェーホフの戯曲に挑戦するのは、2008年の「かもめ」以来になります。現実世界をそのまま切り取ったようなチェーホフの世界に再び浸れることを嬉しく思います。
高岡早紀さん、比嘉愛未さんはじめ、今回の共演する多くの方とは初共演です。稽古場で自分をさらけ出して、新しい人間関係を築くことは演劇の醍醐味の一つなので、今回も楽しみたいと思います。
僕が演じるプラトーノフは、自分を愛する4人の美しい女性を弄ぶという、現実世界では経験できない役柄ですので…人生経験豊富な西岡德馬さんに役作りの相談をしたいと思います(笑)
◆高岡早紀コメント
チェーホフ劇に出るのは初めてです。今回、藤原竜也さん演じるプラトーノフに想いを寄せる未亡人役を演じます。なぜか私には、未亡人というイメージがあるみたいです(笑)
この年齢になっても、このような奔放な女性を演じられるのは女優としてありがたいことだと思います。藤原竜也さんの舞台は何度も拝見していますが、彼はまさに「舞台の人」。本当にパワーのある方なので、舞台で初共演できることを楽しみにしています。
◆比嘉愛未コメント
本格的な翻訳劇に出演させて頂くのは初めてです。戯曲を読ませて頂き、リアルな人間のどろどろした部分を舞台で表現することに興味を持ち、今回チャレンジさせて頂きたいと思いました。演出家の森さんは妥協のない方だそうですが、とことんついて行きたいと思います。
ワクワクするお仕事はたくさんありますが、今回のようにゾクゾクすることは滅多にありません。今から、稽古が始まるのを楽しみにしています。
◆演出家・森新太郎コメント
チェーホフの作品を不条理劇のように感じるときがあります。
なにも起きない。どこへも行けない。そして、沈黙……。
その救いがたい光景はなぜか滑稽至極でもあり、ほとんどナンセンス・コメディーの域です。
殊に『プラトーノフ』はそんな作品かもしれません。
強烈な馬鹿馬鹿しさと痛々しさが、常に同居しています。
哀しいかな、この現実世界のまさに映し鏡です。
実力派の俳優陣17名と共に、骨身に沁みるチェ―ホフ劇をお届けできたらと思います。