2018年トニー賞 Best Play(演劇作品賞)ノミネートで話題となった注目作!
ブロードウェイ、ウエストエンドを震撼させた問題作を、日本を代表する実力派俳優の 高畑淳子、鶴見辰吾、若村麻由美 を迎え、栗山民也の演出で、日本で初めて上演致します。
脚本のルーシー・カークウッドは、1984年生まれのイギリス演劇界期待の若手女流作家。彼女が執筆した、アメリカ人写真家が、1989年に天安門広場で戦車の前に立ちはだかった男の軌跡をたどりながら、現代のアメリカやそこで暮らす外国人が抱える問題をひも解いた意欲作「チャイメリカ」は、2014 年ローレンス・オリヴィエ賞最優秀作品賞を受賞しました。本作「チルドレン(原題:THE CHILDREN)」は、そんな注目のカークウッドが英ロイヤル・コート・シアターの招きで書き下ろした作品。カークウッドの作品を上演するのは、日本で本作が初となります。米ブロードウェイ、英ウエストエンドでの上演成功を受けて、2018年春シドニー・オペラハウスでも上演された本作。世界の観客に問いかけるのは、普遍にして壮大なテーマ。多くの過ちを繰り返し、染みだらけになったこの地球で、今を生きる私たちは、生まれ来る未来の子供達の為に、何ができるのか―。人類の「叡智」が問われる挑発的な問題作、上質な人間ドラマに是非ご期待下さい!
STORY
巨大地震、大津波、そしてそれに伴う原発事故。
そこから遠くもない海辺のコテージに 移り住んだ夫婦ロビン(鶴見辰吾)と ヘイゼル(高畑淳子)。
そこへ数十年ぶりに女友達 ローズ(若村麻由美)が訪ねてきた。
昔のように語らい、踊り、冗談を言い合う 3人の背景が明らかになるにつれ、 次第に色濃くなる世界の影。
現代を生きる私たちは、母なる地球とどう関わるべきなのか――?
キャストよりコメント
高畑淳子/ヘイゼル役
人間は便利な文明の中で暮らしていますが、本当に豊かになっているのだろうか?自ら生み出したものに脅かされてはいないだろうか?そんなことを考える機会はとても少ない気がします。劇場とは日常の中で忘れてしまった感情を体感できる不思議な場所です。現代が抱える問題を扱った本作を通じて、皆さんと一緒にふっと立ち止まり、考える機会が持てたら、見える景色も変わってくるのではないでしょうか?ぜひ劇場にお越し頂けたら嬉しく思います。
鶴見辰吾/ロビン役
本作はイギリスの作家による脚本ですが、2011 年の福島の現実を海外の人達がどう捉えたのかを、生で感じさせる舞台です。現代が抱える様々な問題をテーマとした作品ですが、重苦しいだけの舞台ではありません。人間はシリアスの中にも、どこかユーモラスな部分を抱えて生きているもの。三人が演じる科学者達が持ち合わせる独特のユーモアを通じて、観客の皆さんを知的な笑いに導きつつ、将来自分はどう生きていくべきか?そんなことを考えて頂けたらと思っています。ぜひ劇場にお越し下さい。
若村麻由美/ローズ役
舞台は夫婦の家。三人の物理学者のウィットに富んだ会話が愚かでおかしい人間ドラマです。日本が直面している大問題を人類共通のテーマとして、目をそらす猶予は無いと警鐘を鳴らす問題作。大きな犠牲を払った日本での上演の意味とタイトルの意味を誰かと話さずにはいられなくなると思います。