舞台はルネサンス時代のイタリアの都市ヴェローナ。
長年にわたり敵対関係が続いている名門モンタギュー家とキャピュレット家。
モンタギューの息子ロミオには思いを寄せているキャピレットの姪のロザラインという女性がいる。ある夜、ロミオは彼女にひと目会おうとキャピュレット家の舞踏会に忍び込む。だが、そこでロミオを待ち受けていたのはキャピュレットの娘ジュリエットとの運命的な出会いだった。
家同士の反目をよそにたちまち恋に落ちる二人。
しかしキャピレット夫人の甥ティボルトが仕掛けた争いによりロミオの親友が命を落とす事件が起こる。逆上したロミオは、ティボルトを自らの手で刺殺し、ヴェローナから追放されることとなる。
ジュリエットの父キャピュレット卿は富裕な青年貴族パリスとの結婚を命じるが、ロミオとの愛を貫くため命がけの決断をするジュリエット・・・・・。
現代バレエ界の鬼才・熊川哲也は、この世にも有名なシェイクスピアの戯曲と、物語を巧妙に綴るプロコフィエフの音楽―そんな絶対的ともいうべき原点を持つ本作の伝統を継承しながらも、その才知と現代感覚をいかんなく発揮し、若き恋人たちの駆け抜けるような真実の愛と、両家の対立がもたらす悲劇とを、かつてない疾走感あふれる展開でより濃密に、極めて演劇的に描き出した。
時代考証を徹底させた重厚な美術・衣裳が彩るヴェローナの街。
戯曲においては端役であるロミオの最初の想い人ロザラインの存在をフィーチャーするなど独自の設定がもたらすドラマ効果・・・・それら意匠を凝らした演出の数々が、飽くことなく悲劇の結末へと観客をいざなっていく。
本公演は、英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル(主席ダンサー)として世界の頂点を極めた熊川哲也が演じるロミオと、初演および2011年ツアーでも愛に突き動かされていくジュリエットを可憐に演じ、強烈な印象を残したロベルタ・マルケス(予定)(英国ロイヤル・バレエ団プリンシパル)を迎え、新川文化ホール開館 20周年を記念し、残響可変装置を装備する音響性能に優れた音楽専用ホールとしての機能をいかんなく発揮できる演目として開催するものです。
最高の豪華キャストによる驚異のスケールで贈る熊川哲也の一大傑作を、僅か1,100席あまりの新川文化ホールで鑑賞する贅沢なひとときを是非ご堪能ください。