野村萬斎のトークよる狂言の楽しみ方と、狂言らしいにぎやかな作品に続き、名作を万作、萬斎の二人が共演。最後に萬斎の名演でと吹く笛の音も聞き所。
- トーク
- 狂言の言い回しや動作をわかりやすく解説
- 狐塚(きつねづか)
- せっかくの豊作を鳥に荒らされないように、狐塚の田の番を命じられた太郎冠者。狐塚には悪い狐が出るというので渋々行くと、鳴子をふって鳥を追うが、そこへねぎらいに来た次郎冠者を狐と思い込み縛り付ける。次にやってきた主人も、これまた狐だと思い込んで縛り上げ、松葉でいぶすと…。
季節感に溢れた前半と、後半のにぎやかなやり取りで、狂言の魅力の二つの面をみせます。 - 月見座頭(つきみざとう)
- 仲秋の名月。座頭が河原で虫の声に聴き惚れていると、月見にきた男が声をかける。歌の詠み合いで意気投合した二人は、謡いつ舞いつささやかな酒宴を楽しむ。和やかなうちに別れの挨拶をかわし、座頭は気分良く帰途に着くが、突然…。
和やかな雰囲気の前半から一転、後半は不条理に覆われて、人間心理の美しさと恐ろしさを巧まずに描く名曲。元来和泉流にない曲で、六世野村万蔵が万作と共に鷺流の台本などを基に1955年に試演。以後万作が台本、演出に工夫を重ねて上演、さらに萬斎と共に練り上げながら演じています。 - 吹取(ふきとり)
- 清水の観世音から、月夜に五条の橋で笛を吹けば妻を授けようと告げられた男。笛が吹けないので何某を訪ね、かわりに吹いてほしいと頼む。二人して五条の橋に行き、何某が笛を吹くと、お告げの女が現れて何某に慕い寄るので、男はあわてるが…。
月夜に笛を吹く風情たっぷり、狂言役者が吹く笛の音も聞き所の佳作。