天井棧敷『見世物の復権』の復権!
寺山修司が美輪明宏に書いた 1967年初演の伝説的名作。
2001年上演で実現した美輪明宏演出。
寺山修司・ハツ親子を実際に知る美輪明宏でしか紡ぎえない演出。
物語は、
擬古典的に装われた贅沢な一室で繰り広げられる。
日本一ゴージャスな美貌の男娼 毛皮のマリー
応接間の大草原を捕虫網片手に蝶を追いかける絶世の美少年・欣也。
この親子の壮絶な近親愛と近親憎悪の物語。
詩人の夢の世界のような物語。
この“はかなくも妖しく哀しい物語”が
頽廃美あふれるゴージャスにして魅惑的な世界として描かれる。
日本一ゴージャスな男娼のマリーに、わが子以上に過保護に可愛がられ、
外の世界を知らず育てられた美少年の欣也の前に、誘惑を企てる美少女。
そして、欣也の見たこともない未知の世界へと誘うのだが・・・
耽美・エロ・グロ・ロマンなど、視覚的に感覚的に、さまざまな要素を
ちりばめながら、家族のあり方や生きることの意味を描いており、
また、母性の欠如、家族の崩壊が問われる
現代にも通じる普遍的なテーマを持つ作品。